2011-09-21

放射性物質の土壌からの除去(2011年9月までの実験結果リンク集)

放射性物質の土壌からの除去(2011年9月までの実験結果リンク集)

福島第一原子力発電所の事故から半年が経過し、
土壌汚染の除去に関する研究成果も徐々に蓄積されてきている。

この間、このブログでも、
☆芝・牧草を使ったファイトレメディエーション
☆芝・牧草を使った表土除去
☆土壌からの粘土成分分離による除染と汚染土壌の減量
☆除染で発生したバイオマスのエネルギー化(リグニンを利用したブリケット燃料化)
及びこの4つの手法のハイブリッド型除染手法の提案を行い、

芝牧草を使った表土除去
(農水の実験では、97%の除去ができた)

土壌からの粘土成分の分離
(いくつものチームが同じテーマで、それぞれ実践を行い70%~90%程度の除去に成功している)

の2つについては現実的なプロセスで実用できるレベルの提案への答えが得られた。
(私が実験したわけではないので恐縮なのだが)

残念ながら、私は、今のところ実験をするだけのゆとりと研究環境がないため
できるだけ情報を集め、考えて提案するところまでしかいけない
是非、国や自治体の研究機関にはここで妥協せずに、さらに検証を続けて頂き、これらの手法を組み合わせたハイブリッド型の除染手法へ開発の歩みを進めていってもらいたいと願う。国の大規模な事業化を始める前に、それぞれの実験結果を縦横に繋ぎ合い融合させ除染が高度化さえるなどの相乗効果が生まれるかどうかをしっかりと確認することが今重要である。耕起のように一度実施してしまうと、それ以降のとりうる対策手法が限られてくる。このため、いずれの手法も2度目は通じないと覚悟を決め、あらゆる手法群の中から、可能な限り最大限の除染効果が期待できる最善手法を選定し実施することが重要となる。現在の農水省の技術的な視点に基づいた考え方では、土壌中の放射性セシウムの濃度が5000ベクレル以下となる手法のうち最も経済的な手法を選択するという最適化が行われているが、今後発生する、森林からの新たな粘土の流出による継続的な汚染を考慮すると、現段階で最大限の対策を講じておくことが将来的に安心して地域の農業を再興させるうえで最も重要な要素となる。このことを実行するには政策的な決定が重要となる。是非、あらゆる政策立案者、研究者、声を上げることのできる方がたにこのことをよろしくお願いしたい。


とりあえず、ファーストステップの総括として、これまでに発表された公的機関の実験結果をリンク集としてまとめておこうと思います。

(農水省実験結果)


第3回農業分野における放射性物質試験研究課題成果説明会
(平成23年9月12日)
当日配布資料はこちら(PDF形式 1.7MB)

第2回農業分野における放射性物質試験研究課題成果説明会
(平成23年9月9日)
当日配布資料はこちら(PDF形式 1.9MB)

第1回農業分野における放射性物質試験研究課題成果説明会
(平成23年8月3日)
当日配布資料はこちら(PDF形式 1.5MB)

(福島 陸域・水域モニタリング大学連合チーム)
森林における放射性物質の移行調査



(東邦大学理学部 化学科 錯体化学教室)



放射能汚染水の浄化に粘土鉱物を用いることを検討してください(2)



(福島県県中建設事務所 (財)福島県都市公園・緑化協会)




平成23年年9月6日 原子力委員会定例会議 資料
東北大学大学院工学研究科 石井慶造


水洗浄による放射性セシウム汚染土壌の除染方法について