2011-09-13

ひまわりに関する2つの除染実験結果の比較

ここ数日ひまわりによるファイトレメディエーションに関する2つの実験結果が報告された。

①はNHKニュース 民間のグループの実験
効果最大30~50%除去

②は福島県農業総合センターの実験
移行率は1~1.5%

この数値の開きはいったい何だろう?
植物鉄栄養研究会WINEPの森先生の7月のブログ記事を読むと、福島県農業総合センターの飯館村での実験は畑を耕起し畝立てをしてヒマワリを栽培している。

実はこれ以上の情報はもっていないのであるが、まず、予想されることは、この2つの実験の大きな違いを生み出しているのは、圃場を耕起しているのか不耕起で栽培したのかのちがいなのではないだろうかということだ。不耕起で栽培されたため、土壌表面にうっすらと降った(といっても高濃度の)放射性物質が、雨に洗い流される度に地中に溶けて、その度にひまわりがそれを吸ったのではないかということだ。混ぜた土では、雲母などに吸着される割合が高くなったり、降雨でのセシウムイオンが水に溶けながら土中と植物に吸い上げられて動く挙動に違いがあるのではないだろうか

先日放映されたダッシュ村の映像でも、耕起もされずに放置された畑に生えた雑草の草むらに入ると線量家の数値は数マクロシーベルト上昇している。このことは雑草等でもどんどんセシウムを吸い上げていることを意味している。放射性物質降下後、1年目のセシウムのファイトレメディエーションによる植物への移行に関しては、植物種による移行係数の違いよりも、降雨と植物による吸収という土中でのセシウムイオンの挙動の影響の方がより強く影響していると予想される。

是非、1年間の耕作されなかったために生い茂った雑草による自然のファイトレメディエーションの効果についてしっかりと比較と評価を行うことが必要である。今、直近から分析を開始することで、不耕起地における除草による除染を、広域的な除染対策の一つとして今秋から開始することができるはずである。