2011-06-02

農地のセシウム除去(たたき台2)

























芝(牧草)を使った放射性セシウム汚染土壌の修復手法の


たたき台2(ステップアップ版)です。


放射性セシウムの土壌中での動態を、


①雲母結合セシウム


②イオン交換体セシウム


③有機体セシウム


の3つにわけて考え、


第1段階で有機体及びイオン交換体の放射性セシウムを芝や牧草を使った


施肥コントロール+イオン交換型のファイトレメディエーションで取り除きます。


ファイトレメディエーションは、地上部刈取り方式で、


地上部の成長を活用して数回刈り取り、


土壌中のセシウムを植物の成長力を活用して吸い上げを促進させます。


第2段階で、できるだけセシウムを植物が吸い上げた後、


芝や牧草の根部を、表土と一緒にはぎとります。


これによって、地表から5cm程度までの土壌を完全に農地から除去し、


その農地を放射性セシウムフリーの土壌に修復します。


刈り取ったバイオマスと表土の処理ですが、


刈り芝や、高圧洗浄されたバイオマスは、乾燥され、


排ガスからの放射性セシウムが再飛散しないと考えられているバグフィルター付きの焼却炉、もしくは、バイオマス燃焼発電装置等で燃焼し


灰化による減量化もしくは、エネルギー回収+灰化による減量化を行います。


残った灰については、放射性廃棄物として管理します。


これについては、国が責任を持って管理します。


芝や牧草の根から高圧洗浄によって分離された土壌は、


イオン交換体や有機体の放射性セシウムの割合が低下し、


雲母結合体の放射性セシウムの割合が高くなっていると考えられます。


この土壌を、水中で、よく撹拌しそのまま放置すると、


下から、比重の重いより大きな鉱物から順に重力沈殿し、


田んぼのシロカキ後の状態のように、


表面に粒子が小さく沈むのに時間がかかる粘土や


重量の軽い有機物が上部により多く集まります。


この、上部の粘土及び有機物を


バキューム吸引器のようなもので吸い上げると、


のこった土壌には、粘土分が少なくなると考えられます。


この作業を2~3回繰り返すと


かなりの部分の有機物と粘土成分が除去されると考えられます。


(仮説1)


使用した水は、ゼオライトなどでイオン交換しながら、


基本的には再利用して利用しますが、


水中に放射性セシウムが溶出しなければ、


無理にゼオライト等は使用しません。


放射性セシウムが濃縮された粘土に関しては、


かなり減量化されていると予想されますが、


さらなる減量・濃縮手法を今後検討して、


管理する必要のある量をより少なくし、


焼却灰同様に、放射性廃棄物として


国が責任をもって全量管理します。


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とりあえず、(たたき台2)で、このような提案を考えてみました。


いくつか実験をしないとわからない部分があるのですが、


情報を集めた中で考えつく理屈を積み上げて考えてみました。




あっているといいのですが・・・・。


ちなみに、


処理する土壌量が莫大であると考えられるため、


処理量が増えれば増えるほどコストが嵩んでいくことになる


特殊な資材等を


基本的に必要としないところが特徴です。


(うまくいった場合にはですが)





芝を使う場合の短所と長所ですが、


短所は


芝生の栽培は、化学肥料を多く使い土が痩せるので、


回復に時間がかかるので


農家の人にとってはあまり好まれなさそうなところです。


反対にその問題を長所としてとらえれば、




放射性セシウムが、


団粒性やイオン交換性に欠かせない


有機物や粘土鉱物に補足されているということ。


芝は肥料吸収性が良いので


土の肥料分を減らし、有機物を減らしてくれるので


放射性セシウムの除去には向いていると考えることもできます。




豊かな土壌は表層部の犠牲によって


下層部の土壌を守っていると捉えることで、


表層部の土壌を捨てる勇気と決断を持っていただければ


ありがたいと思います。


最後に、芝の長所ですが、


木材の主成分の一つであるリグニンを多く含み


腐りにくいという特徴があります。


牧草などに比べて分解しづらいところがありますが、


リグニンが多いというこの特性を活用して、


乾燥物を圧縮して、ブリケット(丸太状の圧縮物)にして、嵩をとらず、


カロリーを高くした燃料状になれば発電用の燃料になると期待しています。


(放射性物質で汚染された廃木材の粉砕物と


混ぜ合わせてみてもよいかもしれません)





燃料量として使えれば、


バイオマスエネルギーとしての再生利用の一つとしても


可能性が開けてきます。


実験しましょう。




そして、だめだったら、さらなる方法を考えましょう!!



また、続きを考えていきたいと思います。


島田敏





















































1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

セシウムの除去について興味深く拝見しました。汚染した土壌については専用の処分場に捨てることも考えられますので、減容化は非常に重要だと思います。新たな知見が出てくれば教えていただけるとありがたいです。
   某企業に勤める技術者