2007-05-10

21世紀環境立国戦略に送った意見(その2)

21世紀環境立国戦略のご意見募集に送った意見(その2)です。これまでの自論をまとめて他にも送りました。

21世紀環境立国戦略のうち国内向け戦略として、再生可能エネルギーの普及と地域経済産業政策の合致に向けて、商工会青年部等、既存の団体を活用してはどうかという提案があります。以下に、理由も含め列記します。よろしくお願いします。
① これまで、国は、チームマイナス6%など国内向け温室効果ガス排出量削減に関しての様々な誘導策をとってきた。
② しかし、チームマイナス6%の中では、マスメディア等を通じて、温暖化に積極的な企業・組織、個人対象を中心にキャンペーンを行なってきた。しかし、一方で、国内には、それらの、積極的な組織や団体以外にも、潜在的に関心のある多くの団体が数多くある。
③ 特に、商工会青年部や、婦人部、PTAなどの団体がそうである。家族に小中学生を中心とした児童を抱える親を中心とした団体は、地球温暖化の問題は、家族の問題であり、自分達の将来の問題として理解しうる団体である。
④ 一方、これらの既存の団体は、一人ひとりの個人を、ようやく纏め上げて成り立っている場合が多く、現在では、その存在意義さえ問われ始めている場合が多い。
⑤ しかし、反対に、個人が埋没しているマスメディアによる宣伝の対象と異なり、実際に、一人ひとりの個人が、その人柄までわかる繋がりで出来上がっているこれらの集団は、いざ、決断し、行動するとき、それらの一人ひとりに繋がる家族や地域社会をも巻き込む力を有し、実際に、多くの地域社会はこれらの人々の目に見えない活動が支えられている。
⑥ このことを、多くの政治家は、よく認識しており、実際に、これらの組織を、選挙活動の票集めの対象としてもよく利用している。
⑦ 私は、これまで、個人レベルではあるが、地球温暖化の原因とその責任の所在について考えてきた。その結論は、自然のゆらぎの範囲内の影響はあるにしても、温室効果ガスが温暖化の主たる原因ならば、その責任は、これまで、化石燃料を一滴でも消費したことのあるすべての人間の責任であり、それは、量の大小や、故意か善意かも問わず、発展途上国も含め、地球上のすべての、化石燃料消費者の責任であるという答えだ。
⑧ その延長線上で考えるなら、地球温暖化は、「知らずしらずに化石燃料を消費した一人ひとりの微量な原因の積み重ねの結果」であり、その抜本的な解決には、「一人ひとりがその因果関係を知り、その改善に最善の努力を取り組み続けていくこと」に他ならないと考えている。(ここで重要なのは、“一人ひとり”と”継続“だ。)
⑨ その点で、これまで示した、各団体は、明らかに一人ひとりの集団であり、温暖化の結果を、自分達の子供達の将来の危機として自らの責任の所在する問題として認識しうる集団だ。そして、脱温暖化や低炭素社会づくりの担い手として最も適した集団といえる。
⑩ これらの団体が活性化している地域は、主に、地方地域の場合が多い。このため、自家用自動車が、主たる交通手段、かつ、一戸建ての住宅に居住するなど、比較的一人当たりの化石燃料消費の多くなる地理的な条件が多い。一方で、一人当たりの土地所有面積も大きいことが考えられ、太陽電池や太陽熱温水器、省エネ電球、省エネ運転、家族の自動車保有台数を減らす、家庭菜園の奨励など、化石燃料の消費量を減少させる手段を数多く保有する地域の住民でもある。
⑪ さらに、商工会青年部、商工会議所青年部、青年会議所などの構成員は、その主要な構成員が経営者であるため、これらの地域の変化が、それぞれの企業の経営に直接事業として結びついてくることを十分に認識できれば、本人、家族、従業員、さらにその家族へと経済活動も含め、飛躍的に活動が広がることが予想しうる。
⑫ 私は、実際に、大工さんや、ガソリンスタンド経営者などに、直接話し、意見を聞いてみたが、断熱性の高い住宅へ仕事を変化させていくことや、将来、ガソリンスタンドだけでは、経営が成り立たなくなるため、方向性を考える上で、早めにそれらの情報を知ることができてよかったという意見が帰ってきた。
⑬ これまでの、温暖化対策は、関心のある人たちに向けてアピールを繰り返し、徐々に理解度の高い人たちを増やしていく戦略だったような気がするが、今後は、このような、既存の団体等に対しても、むしろ積極的に対策と役割を分担し、積極的な勉強会や講演会、公募等を通して一人ひとりの協力と自発的な行動のきっかけをさらに一段と引き出す仕組みを作って脱温暖化と低炭素社会づくりの取り組みを急速に国内に拡大していく必要がある。
⑭ 特に、中小企業の雇用者数は、日本の雇用者数の約70%を占め、それらの企業の経営者の一人ひとりが脱温暖化に目覚め、それが事業の一環として位置づけられるとの認識が得られれば、従業員やその家族を通じて、その認識は、比較的、短時間に、国民の約70%に浸透する潜在力を持つ。このことが、国内の内面的な低炭素社会づくりを推し進める。同時に、それらの企業活動は、販売、購入する商品や役務を要求し、そのことが、さらに、大企業の活動をよりしっかりとした活発なものとする。
⑮ 10年、20年先を考えると、それらの家庭の子供達が、地域を支え、中小企業を支え、大企業を支え、作り上げていく。多くの企業も含め、企業や社会を支える内部の人材が入れ替わって行くことで、低炭素社会が国内に世代を越えて定着してくると考えられる。
⑯ 従って、長期的な国内戦略を考える上でも、21世紀環境立国戦略の国内に向けての活性化戦略の中に、既存の地域団体の積極的活用、中小企業経営者への低炭素社会を前提として事業戦略の推進を図る誘導策の検討(各種青年部等を活用して)、それらの相乗効果による、脱温暖化、低炭素社会づくりの国民、一人ひとりへの急速な普及を盛り込むことは最重要綱目の一つである。
と考える。