2016-02-26

ウキクサを使った飼料生産

 出展:Green Sun Products PDF資料
出展:Dr.Landesman duckweed crusader HP
出展:低炭素社会学HP

数日前から、ウキクサの利用について調べています。
ここ1年半ほどアクアポニクスの施設づくりを行ったり、
藻類のペレット化の仕事をしたりした関係で、
循環型システムや水循環系のシステムについて実物に触れながら考えてみる幅が広がったため特に注目しているウキクサを紹介します。
ウキクサは、池や水田などでよく目にするはずなので皆さんご存知かと思いますが、実は、その生産性、資源有用性は驚くべきものがあります。
主な特徴としては
〇増殖スピードが速い
〇窒素源としてアンモニアを利用できる
〇高いタンパク含有率(大豆よりも高い)⇒英語ではduckweed:家畜の飼料として利用ができる
〇どこにでもいる
などがあります。
また作物として利用を考えた場合、
〇風で吹き寄せれば一か所で容易に収穫することができる。
〇天日等で乾燥することで軽くなるため移送が簡単である。
〇生のままでも飼料として利用できる。
〇温度などの条件が良ければ、大豆の10倍くらいの生産性(182tDW/haという数字が一番大きなものでありましたが、大豆の10倍という点では40t/haくらいか?)がある。
一度写真を見ていただけるとイメージがわきやすくなると思いますので
ここで、いくつかの資料を提示しておきます。
https://www.was.org/…/MeetingPresent…/AA2014/AA2014_0412.pdf
http://www.mobot.org/jwcross/duckweed/Fish.htm
http://www.fao.org/ag/AGAinfo/resources/documents/DW/Dw2.htm
上記以外にもいくつかの情報を検討してみた結果
ウキクサは大豆の10倍生産性が高く、例えば地球の肺と呼ばれる熱帯雨林アマゾンで熱帯雨林伐採の大きな要因となっている、輸出飼料用大豆の生産を部分的にウキクサ生産に切り替えることによって現状の地域の収入と総生産量を確保しながら徐々に伐採林の増加スピードを減少させながら徐々に森林の再生の方向に転換も考えられるのではいかななどと発想することができました。
一晩おいて、改めてブラジルでのウキクサ生産について調べてみると、
研究者の方かと思いますが、ブラジルでのデンプン生産性の高いウキクサを使ったバイオエタノール生産とウキクサを使った豚の飼料生産について検討している資料が見つけられました。
Conversion of duckweed to bioethanol
and animal feed in Brazilian
integrated farming
https://dvikan.no/…/Transportation%202-%20Technical%20repor…
調べてみたのは、現在のところこんなところですが
〇微細藻類⇒灯油あるいは軽油代替燃料、油脂類、タンパク類、医薬品 
〇浮草⇒デンプン、飼料用タンパク質、バイオエタノール、セルロース資源(プラスチック原料)、医薬品
コベネフィットCDMを使った気候変動緩和策もあるかとおもいます。私たちはエネルギーに対する関心がここのところ多いのですが、家畜のえさとなる飼料を効率的に生産すことで地球システムの安定化に寄与させることもできるという視点も重要であると同時に非常に大きな可能性を秘めていると感じております。大豆はマメ科植物なので根粒細菌で窒素固定をして窒素肥料を節約できますが、ウキクサでは窒素源が必要とします。一方、バイオガスプラントからでるアンモニア性の液肥なども活用できるという可能性もあり、他の循環系システムとの組み合わせも広がりが期待できそうです。まだまだ検討も必要かともいますが、学生の皆さんの研究などを通してさらなる検討が広がることを期待します。
ということで、簡単ではありますが情報提供をさせていただきました。


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