2011-09-01

産総研、土壌中セシウムを低濃度の酸で抽出することに成功

産総研、土壌中セシウムを低濃度の酸で抽出することに成功


http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=290240&lindID=5 (プレスリリース)

産総研で、低濃度の酸+200℃程度の加熱+微細化したプルシアンブルーで土壌中のセシウムを解離抽出する実験に成功した。プレスリリースの背景には、震災後、現在研究されている土壌からの放射性セシウム抽出手法が整理されている。

産総研の研究は、雲母等の吸着部位に強固に結合したセシウムを、加熱と酸によって解離させ、解離と同時にプルシアンブルーに取り込み、雲母への再結合を妨げるという手法ではないかと想像される。(それとも抽出→冷却→吸着だろうか?)

現在の所この手法では、200℃という比較的低いとはいっても高温の反応条件を用いているため、水の蒸発温度を越えており反応条件を整える為加圧容器などを必要とすることが必要と思われる。また、仮にエネルギー回収が行われたとしても、大容量の土壌処理においては更なる検討が必要だと思われる。

反応速度が速ければ、もしかするとマイクロ波などで加熱すると連続処理ができるかもしれない

大量の土壌を処理するという点で、まだ、解決しなければならない課題を有するが、
仮に予想があたって、基本的な戦略として、雲母からのセシウムの解離×解離されたセシウムの粘土への再結合の防止・回収(産総研の場合、微細化されたプルシアンブルーの吸着材)による土壌成分からの抽出という流れをねらっているとしたら冷却行程も省けとても良いのではないかと思う。

研究の詳細についても知りたい。
また、成功についても期待をしたい。

追)とても詳しい情報がありました。
反応温度や反応時間、抽出量、処理水、薬剤の再利用など詳しく説明されています。
これだけたくさんの情報が公開されているというのはとても親切なことだと思います。
研究機関がこのような詳しい情報提供をしてくれることで他の研究者や除染に取り組もうとする企業等への大きな手助けになるのではないかと思います。