
2011.7.10東大農学部弥生講堂で行われた中山間地域フォーラム
http://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp/mizo/seminar/110710mizo.html
というシンポジウムで講演された東京大大学院の溝口勝教授(土壌物理学)の発表のスライドを偶然見つけました。http://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp/mizo/seminar/110710mizopresen.pdf
上の図はその一ページ、一センチ毎の断面での放射性セシウムの分布が、私は初めてわかりました。これを見ると表土表面から1センチメートルの土壌を除去すると半分近くの放射性物質を除去できるのではないかと想像されます。ただし、この中には、土壌中の有機物や粘土鉱物に電気的に吸着されているもの(イオン交換態)も多くあり、時間の経過とともに徐々に下に下がっていくのだろうと私は考えています。
①ティフトン419(芝)の根の吸収によって、表層1cmまでにある(特に)イオン交換態のセシウムが下層にそれ以上下に浸透しないようにブロックし、芝が生えそろったところで地上部を数回刈込み、芝根がしっかりと強く生えたら表層土壌5mmまで土ごと芝を刈込みます。
②①の要領で芝生をもう一回再生させ、2回目で表層1cmまでを除去します。
③再び芝生が再生したら、放射線量を計測しながら、表層から2~5cmまで土壌を芝ごとソッドカッターで切りはがします。切りはがし厚さは、土量を減らすために、放射線量によって最小にコントロールしていきます。地上部でセシウムをまだ減らすことができるようでしたら、さらに複数回芝刈りを実施した後に切りはがしを行います。
地表部での刈り取りは何回まで効果があるのか?
芝が自然再生可能な一回の表土除去量は最大何mmまでか?
●地上部の刈り取り
●根部・土壌部までの刈り取り
●芝の引きはがし
●最終的な芝の完全駆除
●除去土壌からの粘土除去
の5つのプロセスの、福島の気候に合わせた最適な組み合わせの探索
などが、まだまだ不明の項目であり、おそらく専門家の意見を合わせて実験をしてみなくてはわからないことです。
また、NP施肥のタイミングも重要と考えています。これは、芝ポット苗等の植え付けの段階でアンモニウムイオンを施肥で土壌に加えると、表層1cmに大量に留まっているセシウムがイオン交換されて下方向に移動し移動の過程で雲母と結合し植物にとって吸い上げづらい状態に移行してしまう可能性が高いからです。したがって、芝がしっかりと根をはるまでは、施肥を控えて、下方向に移動するセシウムを速やかに芝根が吸収できる状態になってからアンモニウムイオンを表土に与えてセシウムをイオン交換させて植物が吸収しやすい状態にしてはどうかとかんがえるからです。こらについても栽培の専門家に検討をしてもらって手法の選択を行いたいところです。
さらに、これらの作業を、同時にたくさんの箇所で並行実施できる工程の検討ももちろん必要です。
なんとか今シーズンの基礎的な試験につなげたいところです。