2009-01-08

首相官邸43(グリーンニューディール)

首相官邸に日本版グリーンニューディールへの政策提言を行いました。

また長く なってしまった・・・。
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①先日、グリーンニューデールに対して首相官邸HPから提案を行なってきた。

②この中で『CO2削減のための住宅の高断熱化、エコ改修は、結露を防止し、冬季の空気の乾燥を防ぐ。この結果、冬季の風邪やインフルエンザなど感染症の予防効果が生じる。さらに、そのことが、病院の風邪患者、インフルエンザ患者を長期的には激減させ、家庭に対しては医療費の負担を軽減し、同時に国の診療報酬に対する歳出を減らすことにつながり、医師の負担が減り、他の重篤な疾病に対してより重点的な診療を行なう余裕が生じる。同時に、そのことは、今後増加する、気候変動による熱帯病などの感染症の増加に対して対応可能な余力を生み出してくれる。』といったように、グリーンジョブの大掛かりな展開で予想される連続した効果と、そのような波及効果のある対策に対して効果的に対策をおこなう重要性を指摘した。

④他にも、省エネナビなどによる家庭のエネルギー使用状況の見える化による家電買い替え促進効果が生まれるなど、同じような連続した効果が発生する取り組みが数多く存在すると考えられる。日本版グリーンニューディールを策定するにあたっては、これらを、構造的に解析していくことが重要になると考える。

⑤上述した2つの事例の構造的な要素は、1、現状の社会問題の解決と低炭素社会づくりを同時に解決する解であり、その結果は、1つの施策によって行財政及び家計のコストの削減とCO2の削減、消費、雇用の創出という複数の効果として表れ、財源の創出と支出の削減の繰り返しという正のスパイラルを構成していくことと、2.省エネナビのように、これまで見えていなかった事実を”見える化”させることで、事実に向き合きあう機会を継続的に増加させていくことで、一人ひとりの不退転の行動を連続して引き起こし、次の取り組み、さらにその次の取り組みを連続的に引き起こさせるもう一つの正のスパイラルであるという2つである。

⑥結果的には、いずれも、最終的には、国民を健全で健康的な生活、堅固で賢い消費、持続的で安定した雇用、生産、経済活動に向かわせることができ、サステイナビリティーを強化した社会を生み出していく核となってくると考えられる。(持続可能な低炭素経済)

⑦さらに、この2つの要素に、3本目の柱として、3、国際的にも提供しうるグリーンなサービス(商品、技術、人材、システム)の育成という3つの柱を打ちたてることで、さまざまな投資のエネルギー(人的、教育的、経済的)を国内に、より積極的に配置し、1,2のシナジー効果がさらに長期的に持続的に発生し続けることが3本目の柱となる。3本目の柱として重要なのは、国内の正のスパイラルによる充実を海外に対してもより協力的に提供し、単に低炭素商品の市場としてのみ海外を見るだけではなく、日本からのグリーンなサービスが海外で他の文化と融合し発展した成果として、再び日本に再提供されるというもう一つの大きなスパイラルを生み出し、それらを日本の次の成長の糧にすることが重要である。

⑧技術開発に関する競争は、世界中で同時にスタートし、それぞれの国が同じように海外に市場を求めようとする中で単に競争を求めるだけでなく、日本だからこそできる貢献と成長の糧を得るための戦略である。プラグインハイブリッドが良い例であろう。日本のハイブリッドカーがアメリカに輸出され、アメリカのガレージショップの文化によって、市民によって蓄電池をよりたくさん積んだプラグインハイブリッド車に改造され、その文化が日本に再び帰ってきたことでプラグインという発想が日本に導入されたのである。このことが、現在の日本の自動車産業の革新的な転換の鍵を握っているのである。

⑨1980年代以降、これまでの20年間が、生活や仕事を便利にするという発想で、面倒臭いことに目を向けずにすむようにすることで消費を育ててきた20年間であったのなら、2020年までのこれからの10年間は、地球環境問題も含めて、次々と目からうろ落として、現実を見つめなおし、積極的に問題を解決するための行動をしていくことで、確かな足跡をつけながら着実に成長し、持続可能な成長という課題に真に向きあいはじめる10年となるであろう。

⑩グリーンニューディールの持つ意味は、気候変動を契機に、これまで発生してきた社会の矛盾を、切り捨て外部化するのではなく、”見える化”によって向きあい、自らの問題として解決する道を模索し、新たな段階に移行する社会を生み出す力に変える(内部化し消化・吸収し成長する力に変える)大掛かりかつユビキタスな社会技術(政策手法)であると位置づけられる。

⑪グリーンニューデールは、積極的に推し進めることで、成長と、行財政コストの削減を促していくことで、自ら財源を生み出しながら大きく成長していく。このことは、これまでの社会の構造改革に必ずしも矛盾するものではなく、むしろ発展させた施策としていくことも可能であると考える。むしろ、社会システムの転換はさらに進むため、更なる行財政の構造改革が必要になってくるであろう。

⑫いずれにしろグリーンニューディールをベースとして日本政府においても持続可能な低炭素社会へ向かっていく長期の国家戦略を、政府が描くことが、社会全体のたたき台となってくるため最も重要なことである。

⑬是非しっかりと取り組んで下さい。