2011-07-12

切削した土壌の吸引装置(株式会社 雄島試作研究所  富樫さん)


株式会社 雄島試作研究所  富樫さんから
切削した土壌の吸引装置に関する提案を頂きました。

富樫さんからは
『土の表面を吸い込むことを想像した場合、ドラム缶の上にサイクロン分離機を取り付け、大型の湿式集じん機と発電機をトラック等の荷台に乗せて運用するのがとても簡単かと思います。ただし集塵機の排気からは微細な放射性物質を含んだチリを撒き散らしてしまうので、必要であればHEPAフィルター付のアスベスト工事用の集じん機等が良いかと思います。』という提案を頂きました。

写真は富樫さんたちが試作・テストしている「放射性物質を含むチリやゴミ」を「安全に集じんする」ことを目的とした集じん機。サイクロンを設置することでペール缶に塵を落としフィルターの目詰まりが低減される作業性の良い設計になっているそうです。

また、この集塵機の仕組みを大型にしたシステムをトラックに車載した概念図もあわせて頂きました。

株式会社 雄島試作研究所さん  富樫さん ありがとうございました。
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土壌の切削については、仮に表面から5mmの切削でもその度量は1反(10m*100m)あたり5m3となります。(ほぐし率をかけるともっと多なるかとおもいますが。)この量は、だいたい大型のショートボディーのダンプカーの積載量が1台あたり7m3ですので、1回に1反あたり約大型ダンプ1台の表土が切削されると考えられます。農地の上で作業をすることを想定すると、4輪駆動の軽のダンプの上に吸引装置が乗っており、吸引された土壌が入ったドラム缶がフォークリフトで簡単にダンプから積み下ろし出きる構造だとよいような気がします。あるいは、ダンプの荷台そのものがコンテナ代わりになる仕組みでも簡単でよいかもしれません。

表土の切削は、5mmから1cm程度を2、3回程度実施し、表面により近い、放射性物質がより高濃度に吸着している部分を分けて削ります。ブルドーザの排土板のように一回で削らない理由は、高濃度の汚染土壌を下側の汚染されていない土壌に擦り付けないようにすることと、放射線量を計測しながら余分な土壌の削り込みを防止し排出土量を最小限抑えるようコントロールをすることにあります。

最終的には、芝は、ソッドカッターで地面から引きはがされますが、このときは、土壌が上下かき回されることはないので、きれいな状態で、しかも、表面にあった汚染の度合いの強い土壌が除去された状態で作業が可能なのではないかと考えています。

分離された土壌は、さらに、粘土分を分離され、2~3割程度(土質にもよりそうですが・・・)の放射性物質の吸着が激しい土壌と7~8割程度の放射能による汚染を低減化された土壌に分離されます。

分離された土壌の処分方法はいくつか考えらますが、それぞれの条件によって、上下置換する場合や、土地改良の手法で減歩して、管理地を設け、中心部に、濃厚な汚染土壌、その周りに、低汚染土壌、さらに外側を放射線を遮蔽できる厚さのコンクリート擁壁を設置し、その周りに樹木などを植えた緩衝地帯を作ります。また、表面は覆土をし、埋設せずに盛り土方式で管理すると良いのではないでしょうか?こうすることで、将来の埋設土壌による問題の再発生や数十年は続ける必要が生じると思われるモニタリングの手間とコストを非常に大きく低減させることができるのではないかと思います。また地中への埋設コストや作業も減らせるのではないかと思います。
将来のことを考えてよくよくしっかりと考えておく必要がありますが、管理地の面積の設定、緩衝地帯の設置、減歩の割合、色々な調整が必要です。
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